2012年2月23日木曜日

事件記者 仮面の脅迫

監督:山崎徳次郎
脚本:西島大,山口純一郎,若林一郎
撮影:松橋梅夫
美術:大鶴泰弘
音楽:三保敬太郎
出演:沢本忠雄,永井智雄,大森義夫,二本柳寛,原保美,滝田裕介,山田吾一,高原駿雄,楠侑子

1959 日活

at ラピュタ阿佐ヶ谷 on 18 Feb. 2012



 「事件記者」第三作。
 病院の薬剤師が映画館で痴漢したというので交番で事情聴取されているのにたまたま遭遇した滝田裕介山田吾一は,そのまま新聞ネタに使ってしまう。ところが,それは事実無根のものであったのだ。薬剤師の上司である事務局長が桜田門クラブに怒鳴り込んできた。一体どうしてくれるんだ!三段抜きで訂正記事を入れろ!しかも,当の薬剤師は行方知れずで,訂正記事が出ないなら自殺をするという電話まで寄越す。しかし,その実は…。
 本作も快調だ。一時間程度の時間でこれだけのことを描き切ってしまう。それゆえでもあろうか,ダレるところが一切ない。面白い!
 このシリーズで感心するのは,警察がマヌケに描かれていないところだ。事件記者が入手したネタは,警察が先んじてちゃんと入手して先手を打っているのである。警察を出し抜いたと思ったら,結局先に刑事がそこにいたりする。こういうところがリアルで好ましい。

夜の最前線 女狩り

監督:井田探
脚本:中西隆三
撮影:萩原泉
美術:柳生一夫
音楽:大森盛太郎
出演:和田浩治,藤竜也,佐藤サト子,岡崎二朗,葉山良二,深江章喜,高品格,高橋明

1969 日活

at ラピュタ阿佐ヶ谷 on 17 Feb. 2012



 和田浩治みどり佐藤サト子)は手を取って新宿へ田舎から駆け落ちして来た。しかし,花園神社でヤクザに因縁をつけられ,佐藤サト子は連れ去られてしまう。しかも,和田浩治は暴行で刑務所行きとなってしまう。
 数年が経過し,和田浩治は出所して,みどりを探して歩くが,見つからない。彼に因縁を付けたヤクザの組は解散して今はないという。その組と対立してつぶされた組の関係者である藤竜也とひょんなことから知り合いになり,その伝手で,学生運動上がりの岡崎二朗たちとも知己を得た。
 ある日,みどりという女が働いているというバーへ行くが,それは人違いであった。ともあれ,そのバーで雇ってもらうことにして,みどり探しを続けることにする。そうこうしているうちに,トルコ王葉山良二和田浩治に因縁を付けたヤクザたちを使っているということがわかって…。
 お互いに仕組まれた罠にすぐハマってしまう繰り返しで,もしかしたら,彼らは考えることを一切放棄してしまったのではないかと訝ってしまう。そういう具合だから盛り上がりには全く欠ける。葉山良二を始めとする悪役たちにも精細がなく,映画を楽しむことができない。

2012年2月22日水曜日

逆転裁判


(C) 2012 CAPCOM/「逆転裁判」製作委員会

監督:三池崇史
脚本:飯田武,大口幸子
撮影:岡雅一
美術:林田裕至
音楽:遠藤浩二
出演:成宮寛貴,斎藤工,桐谷美玲,中尾明慶,大東駿介,柄本明,檀れい,谷村美月,平岳大,余貴美子,石橋凌,小日向文世

2012 日本テレビ放送網,東宝,カプコン,オー・エル・エム,D.N.ドリームパートナーズ,読売テレビ放送,バップ,ソニー・ミュージックエンタテインメント,STV,MMT,SDT,CTV,HTV,FBS

at TOHOシネマズ上大岡 on 14 Feb. 2012



 裁判の中心となる事件内容から考えて,正面からきっちりと映画化すれば,それなりの良質ミステリと成り得ると思われるのに,三池崇史監督はそういうことには全く興味がないように思える。敢えて,良質なものをぶち壊すような演出がなされているようだ。
 数カットではあるが,目を瞠るようなホラー的ショットがあって,びっくりさせられる。

2012年2月20日月曜日

ヒミズ


©『ヒミズ』フィルムパートナーズ

監督・脚本:園子温
撮影:谷川創平
美術:松塚隆史
音楽:原田智英
出演:染谷将太,二階堂ふみ,渡辺哲,吹越満,神楽坂恵,光石研,渡辺真紀子,黒沢あすか,でんでん,村上淳,窪塚洋介,吉高由里子,西島隆弘,鈴木杏,諏訪太朗,モト冬樹,堀部圭亮

2011 「ヒミズ」フィルムパートナーズ

at TOHOシネマズ川崎 on 9 Feb. 2012



 園子温の最高傑作は自殺サークルだろう。時代の暗部をそのまま映像として定着させた信じられない映画だった。そして,本作もまた時代を色濃く反映させた映画になっている。「震災後」という設定はされているものの,それが映画に大きく影響しているとは思わない。逆に,それは取ってつけたような表層的な設定であるように思える。それより何より,先に光明が見えない不安定な居心地の悪い現代の雰囲気がそのまま映像化されているのは凄いとしか言えない。しかしながら,「オマケ人生」の部分がオマケのような気がする。そこさえなかったなら,自殺サークルを越えていたかもしれない。
 染谷将太二階堂ふみは確かに圧倒的である。そして,ラストシーンには希望がある。

2012年2月16日木曜日

幸福の壺

監督:小川通仁
脚本:福間正浩,加藤公平,佐藤友治
撮影:上野彰吾
美術:北島和久
音楽:
出演:ほっしゃん。,麻生久美子,戸田恵子,佐津川愛美,前田公輝,藤森慎吾,長江英和,ヨネスケ,渡辺哲,麿赤兒

2011 日本テレビ,吉本興業

at シネマート六本木 on 8 Feb. 2012



 ほっしゃん。は売れない役者。夢は映像製作らしいが,まともな役にもありつけず,妻麻生久美子からはバカにされ,暴力まで振るわれる始末だ。
 ある日彼はマンションの管理人戸田恵子から「幸福の壺」を貰い受ける。部屋を見渡すところに前向きに飾っておくと幸福が訪れるらしい。半信半疑で,ほっしゃん。はそれを部屋に飾る。
 今日も毎度のごとく麻生久美子からなじられるが,たまたまころがっていたペットボトルに足を取られ,彼女は頭から転倒。死んでしまう。彼女には保険金も掛けてあるし,こんな状況では,自分が殺したと思われるのではないかと考えたほっしゃん。は死体をどうにか始末しようとするのだが…。
 あまりにリアリティがないご都合主義のストーリー展開に全くついていけない。こんな映画を観せられる客の身にもなっていただきたいものだ。

2012年2月12日日曜日

荒川アンダー ザ ブリッジ

監督・脚本:飯塚健
撮影:相馬大輔
美術:相馬直樹
音楽:海田庄吾
出演:林遣都,桐谷美玲,小栗旬,山田孝之,城田優,片瀬那奈,安倍なつみ,平沼紀久,有坂来瞳,徳永えり,末岡拓人,益子雷翔,駿河太郎,手塚とおる,上川隆也,浅野和之,井上和香,高嶋政宏

2012 AUTBパートナーズ

at TOHOシネマズ上大岡 on 7 Feb. 2012



 原作はギャグ漫画であるらしいが,それにしては小学生並のギャグが繰り返されるだけで一向に面白くなく,逆に観客をバカにしているのかとさえ思ってしまうのは,作り手側の責任としか言えない。おそらくは原作とはかけ離れたラブストーリーが映画ではメインとなっているのかとは思われるが,彼女が結局本当の金星人だというオチで納得する人がどのくらいいるのだろう?
 チラリとスプラッシュを感じさせられるのは,人間以外との恋であり,それが水と大いに関係するところからだろうが,ラブストーリーを上手くメインストーリーとすることができたなら,もしかしたら感動作にすらなっていたとも思われ,そこが極めて残念なところであろう。
 せっかく,小栗旬とか山田孝之とかいった個性派を使いながら,こんな酷い映画にしてしまった責任は監督・脚本を務めた人にあることは明白だし,こんな映画を観させられた私たちは一体どうすればいいんだろうと思う。

2012年2月9日木曜日

ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵


©三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS

監督:窪岡俊之
脚本:大河内一楼
撮影:
美術:竹田悠介,中村豪希
音楽:鷺巣詩郎
出演:岩永洋昭,櫻井孝宏,行成とあ,梶裕貴,藤原貴弘,松本ヨシロウ,矢尾一樹,寿美菜子,小山力也,三宅健太,豊崎愛生,ケンドーコバヤシ

2012 BERSERK FILM PARTNERS

at ヒューマントラストシネマ渋谷 on 6 Feb. 2012



 ガッツは孤高の傭兵だ。強い。夢など持たない。そんなの食えないからだ。その彼があっけなく屈した男,それが傭兵団「鷹の団」の長グリフィンだった。彼はグリフィンのものとなった。そして,「鷹の団」の一員となった。
 グリフィンには夢がある。夢に向かい突き進むことこそ,この世に生を受けた証だと信じている。「鷹の団」はとある国に召し抱えられ,グリフィンは傭兵という身分にもかかわらず,貴族の位を頂戴するのだった。
 中世ヨーロッパあたりと思わせる背景の中,ガッツグリフィンという個性ある二人の男を中心として物語が進んでいく。幾つかの謎がしつらえられ,今後の展開に期待を持たせる。
 なかなか面白いと思う。今後の展開が楽しみだ。

2012年2月8日水曜日

事件記者 真昼の恐怖

監督:山崎徳次郎
脚本:西島大,山口純一郎,若林一郎
撮影:松橋梅夫
美術:大鶴泰弘
音楽:三保敬太郎
出演:沢本忠雄,永井智雄,小園蓉子,南風夕子,清水将夫,大森義夫,二本柳寛,原保美,滝田裕介,内田良平,山田吾一,山田禅二

1959 日活

at ラピュタ阿佐ヶ谷 on 5 Feb. 2012



 「事件記者」第二作。
 新人ちゃんも大分慣れてきたようで,初めての取材を任されて江ノ島へ来ている。江ノ島での若者たちの赤裸々な生態の取材である。昼日中から恋人たちはくちづけを交わす。夜になれば,さらに過激に?
 そんな中,一人の女性が倒れ,救急車が呼ばれている。現場へ行くと家族サービスで来ているという中央日々多賀はただの貧血らしいという情報をくれた。それを鵜呑みにして菅たちは取材を続けたが,実は彼女は血液を売りすぎたための貧血だったのだ。現場にいながら他社に抜かれてしまった屈辱を味わうだが,八田老人などはいい勉強をしたのだから,料金を払った方がいいのでは?といった皮肉を言う。
 そして,血液事件はさらに親展を見せて,は最後には危険な目に遭ってしまうのだった。
 一作目もそうであったが,捜査内容を知られたくない刑事側と,そこからネタを引き出そうとする記者たちとの確執が常に描かれていて面白いし,二作目も快調なテンポで観ていて楽しい。

事件記者

監督:山崎徳次郎
脚本:西島大,山口純一郎,若林一郎
撮影:松橋梅夫
美術:大鶴泰弘
音楽:三保敬太郎
出演:沢本忠雄,宍戸錠,野呂圭介,永井智雄,相馬千恵子,清水将夫,大森義夫,園井啓介,二本柳寛,原保美,滝田裕介,内田良平,山田吾一

1959 日活

at ラピュタ阿佐ヶ谷 on 5 Feb. 2012



 NHKテレビドラマの映画化。
 毎度お馴染みの記者詰め「警視庁桜田クラブ」に新人二人がやって来る。東京日報中央日々岩見である。初日から部屋を間違えて取調室へ入ってしまい,大目玉。先が思いやられる。
 そんな折,事件が起きる。品川駅で新宿のやくざの親分が撃たれ,カバンを持ち逃げされてしまったのだ。一命を取り留めた親分だが,撃った相手の名前は言わないし,スキを見て病院から逃げてしまう。どうやら,裏には組の間のいざこざもあるらしい。
 事件を追う記者たちの姿がテンポ良く捉えられている。ベテラン記者の阿吽の呼吸や手練手管がとても興味深い。
 やくざの親分を手にかけたのは宍戸錠野呂圭介の二人組だが,拳銃を扱うのが野呂圭介だというのが面白い。

ドットハック セカイの向こうに


(C)2012.hack Conglomerate

監督:松山洋
脚本:伊藤和典
撮影:
美術:
音楽:
出演:桜庭ななみ,松坂桃李,田中圭,福井裕佳梨,井上麻里奈,緒方賢一,藤田咲,勝生真沙子,増谷康紀,檜山修之

2012 .hack Conglomerate

at シネ・リーブル池袋 on 4 Feb. 2012



 ネットワークゲーム "THE WORLD" に今や多くの日本人がハマっている。柳川に住む中学生たちも例外ではない。それまでネットワークゲームはおろか,ゲーム機を触ったことすらなかった有城そらも友達に誘われ,その世界へ一歩を踏み出す。その彼女が,リアル世界へ浸潤しようとする悪しきバグから世界を守ることになろうとは…。
 現実世界では話せないこともネットワークでならば話せる。それは,ネットワークが,現実世界と異なる人格を操ることができる,ある意味夢の世界であるからかもしれない。そこでは現実世界よりも人と人とが結びつき,団結できる可能性もあるのだ。そして,そこでの繋がりが逆に現実世界での繋がりへと広がっていく。
 ネットワークから何かが現実世界へ抜け出してくる…あまりに嘘くさくて私には入り込む隙すらない。そこまでやるなら,リアリズムなどはとことん壊す方向へ突っ走ってほしかった。そうすれば,アメリカ機関の一員である彼(実写化されるなら,この役はきっと波岡一喜がやるに違いない)の存在も大きくなってくるのではないだろうか。
 ネットワークでの繋がりなど,結局は表面上のものでしかないように見える。そんなあやふやなものが現実世界での繋がりに結び付けられるものなのか?そこが描き切れていない。とても残念だ。